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わたしのこと
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2012年 05月 16日
小泉八雲の『怪談』をモチーフに現代の物語として描きなおした異色の短編集。 「雪おんな」 「ろくろ首」 「むじな」 「食人鬼」 「鏡と鐘」 「耳なし芳一」 ホラーでもありミステリーでもあり・・・・ どの作品も柳さんらしいエッジが効いていてさすがです。 雪おんなやろくろ首など子供の頃に見知った話、 その頃は物語自体がとても怖かったのですが これを読むといちばん怖いのは人間だとしみじみ思ってしまいました。 2012年 05月 04日
文芸誌編集希望で念願の出版社に入社した佳孝だったが、入社三年目に配属されたのはローティーン向けファッション誌の 「ピピン」編集部だった。 女の子の夢がいっぱい詰まったキラキラの洋服や小物・・・。 佳孝には理解不能なものばかり。 それでもいつか別の部署へ異動するまでの辛抱と、 佳孝は仕事をソツなくこなしていこうとするのだが・・・。 女性ばかりの編集部、個性的なカメラマン、スタイリスト、 そしてオーディションで選ばれた少女モデルたちのプロ意識に触れていくうちに いつしか佳孝の気持ちに変化が訪れる。 どんな世界にもそこで一生懸命に生きる人たちがいる。 まったく自分に向いてないと思っていた職場でも得るものはある。 不満ばかりあげつらうよりも与えらえた環境でまずは頑張ってみる。 そうすると人生に無駄なことなんてひとつもないということに気付くんですよね。 周囲の人との関わりを通して少しずつ成長していく佳孝の姿が素敵でした。 2012年 04月 23日
様々な状況で頑張って生きている人々の悲喜こもごもをユーモアを交えて温かく描いた短編集。 「原発がともす灯の下で」 「俺だよ、俺。」 「今日もみんなつながっている。」 「出逢いのジャングル」 「ベンチマン」 「歴史がいっぱい」 「幸せになる百通りの方法」 節電やオレオレ詐欺、オンラインゲーム、リストラ・・・・ どのお話も今まさにこの時代ならではの事情を上手く取り入れ いかにもありそうな物語になっている。 どの話もかなり面白かったけれど、 いちばん可笑しかったのは「俺だよ、俺。」に出てくる大阪のおばちゃん。 大阪のおばちゃんにはかないませんねー(笑) 現代社会に対する皮肉をユーモアというオブラートに包み込んで 嫌な気持ちにならず楽しく読めるよう描いているところが秀逸でした。 2012年 04月 20日
中堅メーカーの青島製作所野球部は成績低迷が続いている。かつては名門野球部として名を馳せていたが、 主力選手が抜け監督も去り創部以来の危機に面している。 会社自体も金融不況による急激な景気悪化に呑まれ 聖域なきリストラに着手したばかり。 技術開発力はあるものの経営悪化に歯止めがかからず ライバル会社のミツワ電器に不利な条件で合併を迫らる。 ミツワ電器は社会人野球でも青島製作所のライバルだった・・・。 リストラによる廃部の危機にさらされた社会人野球チームと 業績悪化のため吸収合併に追い込まれる会社、この二本を軸として物語は交互に進む。 池井戸さんお得意の企業小説です。 しかも今回は社会人野球のことも詳細に描かれているので 野球好きの私にはたまらない内容。 様々な難局を登場人物たちがどんなふうに乗り越えるか・・・ 男たちの熱い闘いに終始ハラハラドキドキしながら読み進む。 そしてラストは期待通りスカっと爽快、しかも清々しい終わり方で大満足。 東京都代表を賭けて戦うミツワ電器との決勝戦は感動的でした。 池井戸さんの企業小説を読むと、働くことの意味を深く考えさせられます。 2012年 04月 16日
ある女性の幼年期から高年期まで、その時々の年齢で様々に関わる口紅とのエピソードを 鮮やかに切り取った連作短編集。 6歳、12歳、18歳、29歳、38歳、47歳、65歳、71歳。 幼いころは母親や祖母との思い出、 10代は思春期の頃の自分自身との葛藤、 20代は恋愛と結婚、30代は平凡な結婚生活、 そして40代になると思春期の娘との関わり、 60代は夫との関係性、そして70代は自身の生涯を振り返り・・・。 口紅との関係性を描くことで浮かび上がるその時々の女性の姿と心は 半世紀生きてきた私にとってそれぞれが身に沁み渡るような内容。 女にとってお化粧道具の中でも口紅はいつも特別・・・。 内容とリンクするような上田義彦氏のプライベートフォト的な写真がすごく素敵でした。 2012年 04月 05日
角田さんが今までに体験した様々な夜を描いたエッセイ集。20代の頃行先だけを決めて一人旅をした アジア諸国をはじめとする異国の夜や 国内外寝台列車で過ごした夜のこと、 幼いころの夜に対する概念や日常的に訪れる夜のこと、 そして両親を看取った病院での夜のこと・・・。 様々な夜に思いを馳せ、その時の心情をリアルに描いている。 印象的だったのは、好きだった人との恋の終わりを突然悟った「夜と恋」 ひとり勝手だった恋の終わりを悟ったその夜、 誰もいないホームのベンチで明けてゆく空を眺めながら いろんなことを思い出してたのしかったなと思い、「私はまだまだだいじょうぶ」と思う。 そう思いたいがためにその夜の光景をときおり思い出す・・・・という その心情がとてもリアルで共感できたのです。 夜って不思議な魔力を持ってますよね。。。 2012年 04月 03日
横浜のみなとみらい地区で昔からひっそりと営む一軒の喫茶店。店内の壁には夥しい数のポストカードが所狭しと飾られている。 それはお客さんからカフェ気付で個人宛てに送られてきた葉書。 その葉書は自分宛てでも持ち帰れないという決まりがあり、 店宛に届いた葉書は永遠にそこに閉じ込められることになる。 そんなカフェに集う人々を描いた12編の連作短編集。 自分宛てに届いたものの差出人に心当たりのない人、 新しい恋人ができ元カノに宛てた葉書を回収しようとする男、 何十年もある人からの便りを待ち続ける女、仲違いした娘宛に葉書を書き続ける老人。 さらにその店の経営者やそこで働く従業員の事情なども絡んで・・・。 いろんな人が織りなす人生の機微がさりげなく描かれ心温まる読後感。 手紙ほど大げさではないけれどいつまでも手書きの文字が残る葉書。 メールでは敵わないちょっとしたドラマがそこにはありました。 先月横浜へ行ったばかりでちょうどこの近辺を歩いていたので、 描かれる横浜の情景がリアルに目に浮かびさらに楽しめたのでした。 2012年 04月 02日
突然この世を去ったスーパースター。残されたのは11歳になる愛娘。 彼女の名前は「傷跡」 偉大なるスーパースターの姿とその死の真相を その娘や家族、彼を追い続けたジャーナリスト、 その他彼に関わった多くの人が彼について語り スーパースターの真の姿に迫ろうとするが・・・。 あのマイケル・ジャクソンが日本に居たら・・・ という設定で作られた物語。 彼が何を考え何を望んでいたのか、結局誰にもわからなかった。 ただ「傷跡」にだけは彼に愛されたという真実が残されたのではないだろうか。 仮面を外して楽園を出る決意をした彼女の動向は描かれていないが、 きっとどこかで幸せに暮らしている・・・と信じたい。 元々マイケルにはそんなに思い入れはなかったけれど、 その偉大さを彼の死後マスコミによっていやというほど思い知らされ 死後に公開された映画『THIS IS IT』に少なからず感動を覚えた私には どうにも掴みどころがなく、それと同時にどこか物足りなさを感じるお話でした。 2012年 03月 15日
元伝説のギタリストで今はホームレスの杉田辰吾・60歳。その昔ドラムをたたいていた警察官の吉川宏・52歳。 歌だけは上手い平凡なサラリーマンの石井和正・34歳。 メジャーを夢見るバンドマンの小嶋隆志・26歳。 引きこもりの高校生の田仲聖矢・16歳。 聖矢の姉の田仲茉莉・26歳。 一見なんの関係もなさそうな6人が あることをきっかけに交わった時音楽と物語が生まれ・・・・。 ポンと提示された冒頭の事故の場面がどこでどう繋がるのか ???な感じだったけど、なるほどそういうふうになるのね~と納得。 まあそれがいささか強引な感がなきにしもあらずだったけど(笑) 小路さんお得意の安心して読めるハートウォーミングな物語でした。 2012年 03月 08日
高校時代、誰からも好かれる完璧な青年・漱太郎をどこか醒めた目で見ていた夢生だったが、 ある嵐の日に漱太郎の隠された本性を目撃してしまった日から 漱太郎に魅せられ彼の虜になってしまう。 ジェントルマン然と振る舞う漱太郎は銀行員となり 妻子とともに何不自由ない生活を送っている。 一方夢生はゲイとして淡々と生きる日々。 そんな夢生のアパートに漱太郎は時折訪れていたが、 危うい均衡で保たれていた二人の関係が崩れる時が来て・・・。 背徳と愛の本質を詠美流に描いた美しい物語。 読みながら、そして読んだ後もため息しか出ない・・・そんな凄い小説でした。 残酷でグロテスクな描写も詠美さんの手にかかると哀しいくらい美しい。 どこをとってもその的確な表現と美しい比喩に戦慄すら覚える。 どんなに聡い人間にも見えないものがある。 それは、体感したことのない愚鈍どもの幸福。 それを他者によって与えられる時、ぼくたちは、恋に落ちた、と形容するのだ。 句読点の位置にまで拘った美しい文章、切なすぎる物語、余韻を残した終わり方、 これぞ私が読みたかった山田詠美です。 今年のベスト10入り間違いなし! 2012年 02月 28日
日常の裂け目にふと現れる裂け目から覗く闇。それは子供のころの暗い記憶だったり、 無意識のうちに常にまとわりついている違和感だったり。 少し前の日本に当たり前にあった風習を題材に 闇に囚われた人々を描いたちょっと恐ろしい異色の短編集。 「おみちゆき」 「同窓会」 「闇の梯子」 「道理」 「前世」 「わたしとわたしではない女」 「かなたの子」 「巡る」 2編ずつ別の文芸誌に連載されたものが対になると呼応しているという不思議。 時代背景が曖昧で、ずっと現代を描いてきた角田さんの作品とは思えない読後感。 それでも読み始めるとその得体のしれない恐怖感に病み付きになり、 あっという間に読んでしまいました。 読んでる間中今私は誰の小説を読んでるの?みたいな多少の違和感がありましたが、 角田さんのこういう挑戦的な作品も悪くないですね。 2012年 02月 08日
姉の名前はどん子、妹の名前ぐり子。両親を事故で亡くしたふたりが始めたサイト「どんぐり姉妹」 だれかにメールしたいけれど、知っている人にはしたくない・・・・ そんな人々のつぶやきをただただ受け止めるだけのサイト。 対照的な性格ながら辛い少女時代を送ったふたりは 様々なことを乗り越えて今を生きている。 そんなささやかなふたりの日常と ゆるやかに変わっていく内面を丁寧に描いた物語。 恋愛体質の姉とひきこもりがちの妹。 不幸な境遇を淡々と受け入れつつもしたたかに生きていく姉妹。 そこにはある強さが感じられる。 それは「どんなことからも逃げない」とう強さ。 楽しいから生きていようとはもともと思っていない。 ただ体が、本能が生きていようというから、ひたすら生きているだけだった。 それでも、こんなふうに美しい夕方に のんびりとあたたかい空気に包まれているとき、快を感じる。 寄せてはかえす波のように快と不快がやってきては去っていく。 家にいたい時期の次は、外に出たい時が必ず来る。 そのくりかえしは波と同じで、いつまで眺めていてもそのさなかに泳いでいても、 全く飽きることはない。 それが生きていることの唯一の喜びだ。 シンプルなラストの一行がとても素敵でした。 2012年 02月 07日
幼なじみの真緒と十年ぶりに再会した会社員の浩介。中学時代の真緒は「学年有数のバカ」と呼ばれ イジメに遭っていた。 そんな真緒を浩介は庇い、勉強を教えたり話し相手になったりと 浩介が引っ越しで転校するまで濃密な時間を過ごしていた。 十年ぶりに会社の得意先として再会した真緒は 中学時代の面影はあるものの当時とは別人のように 頭のキレる有能ないい女に変身していた。 そんな真緒に戸惑いつつも、急速に惹かれていく浩介。 もちろん真緒もそんな浩介を受け入れ二人は関係を深めていくのだが・・・。 順調に恋愛を育んでいく二人に時折影をさす真緒の計り知れない過去。 その秘密が明らかになった時はさすがに驚きましたね~。 そう来るか!?というほどのまさかの設定(笑) そう思って読むとあちこちにさりげなく伏線はちりばめられていたんですが・・・。 その設定ゆえに恋愛の幸福感と切なさが存分に描かれていて、 読後はほんわかと幸せな気分になれました。 それにしてもびっくりしたなぁ。。。 2012年 02月 02日
共に幼いころ親に捨てられた過去を持つ陽子と晴美。36歳になった二人は今でも交流を持っている。 陽子は政治家の妻として幸せな家庭を築き、 絵本作家としてもデビューし注目を集め始めていた。 一方晴美は新聞記者として孤独な日々を送っていた。 そんな中、陽子の5歳になる一人息子が誘拐され 「真実を公表しないと息子の命はない」という脅迫状が届く。 真実とはいったい何なのか・・・。犯人は誰なのか・・・。 出生の秘密を抱え持つ二人だけに、 犯人の正体や事件の真相は途中で大方の予想がつきました。 絵本の元になった青いリボンの逸話や謎の老女の存在は 伏線としてあまりにもわかりやすくないですか? 湊作品にしてはあっさりした読後感だったな~と思ったのが正直なところです。 デビュー作の『告白』が衝撃的だっただけに、 無意識にそういう作品を期待してしまうのでしょうか(笑) リクエスト待ちもかなりの期間だったのでワクワクして読み始めたのですが、 すっかり肩透かしでした。。。 2012年 01月 23日
2010年4月~2011年3月まで毎日新聞に掲載された「日本新(ネオ)カルチャーを歩く」というルポエッセイに これまで各媒体に発表されたエッセイをまとめたもの。 「ネオカルチャー新発見」は、 ご本人が興味の赴くまま好きなところへ取材へ行っただけあって どの回もとっても楽しそう。 他にも本や映画のこと、日々の出来事などの身辺雑記は 辻村さんの人となりが垣間見えてとても興味深かったです。 あと、特別収録として4編のショートショート&短編小説が掲載されてます。 その中の「さくら日和」は別のアンソロジーで既読でしたが、 改めて季節感あふれるいいお話だな~と思いました。 そうそう! あとがきを読んでわかったのですが、辻村さんご結婚&出産(昨年)されていたのですね! 知らなかったな~。 春には新刊が出るらしいので、今から楽しみ♪ 2012年 01月 19日
真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。彼は幼い頃から、品物や場所に残された、 人間の記憶が見えた。 強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やかに。 ある日、 真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。 カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。 父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。 しかし、真也の目には、まったく違う景色が見えた・・・・・・。 上記は演劇集団キャラメルボックスで上演された『ヒア・カムズ・ザ・サン』のあらすじ。 そのあらすじから有川さんが着想を得て執筆した物語を二編収録。 ひとつはあらすじだけから生み出した『ヒア・カムズ・ザ・サン』 そしてもうひとつは舞台を観た上で執筆したという『ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel』 どちらも人物名や大枠は共有しているけれど、話そのものはまったくの別物です。 ただ、不思議な力を持つ真也の葛藤とカオルと父親との葛藤は設定は違えども共通。 物語全体から人間関係の難しさや人と人の絆の奥深さが立ち上ってくる。 悩みながらも大切な人のために奔走する真也の誠実な人柄がとてもよかったです。 思いやりあふれる真也にこんなに愛されて・・・・カオルはきっと幸せになるね。 舞台も観てみたかったな~。 2012年 01月 18日
舞台は、さびれつつある地方都市の花咲小路商店街。主人公の亜弥は両親が始めた小さな英語塾で講師をしている。 母親の志津はすでに亡くなり、 隠居している父親は日本に帰化している英国人。 今は矢車聖人と名乗る御年70歳の彼は、 昔イギリスで伝説の大泥棒として名を馳せた人物だった。 泥棒といっても悪党ではない。 英国では未だに「最後の泥棒紳士”セイント”」と呼ばれ ドキュメント番組で時々特集が組まれたりもする。 1950年代末から60年代にかけて英国中の美術品や金品を上流階級から盗みまくり、 決して捕まらなかった世紀の大泥棒なのだ。 日本に帰化して40年、花咲商店街にもすっかり馴染んだ聖人が 花咲商店街に突如訪れたピンチを実にスマートな方法で救うというアットホームな物語。 いつもの小路作品らしくユーモアと温かみにあふれた安心して読めるお話。 こんなになにもかも上手くいくわけないと思いつつも、 その予定調和的で微笑ましい終わり方には胸のすく思い(笑) 英国人らしく散歩と紅茶を愛する聖人のた佇まいがとっても素敵。 彼の愛車がミニクーパーというのも私的にツボでした♪ 2012年 01月 16日
さびれた地方の温泉街に住む中学二年の逸夫はもやがかかったような日々に悶々としながら暮らしていた。 そんな時、同級生の敦子がいじめにあっているのに気づく。 敦子はひとつの「嘘」を計画し、逸夫に協力を求める。 一方、逸夫の祖母・いくは大きな秘密を抱えて生きてきた。 祖母が話していた自分の生立ちがある時嘘だったと判明すると その直後から矍鑠としていた祖母は生気を失ってしまう。 逸夫は二人の絶望をどうにかして救いたいとある計画を練る。 逸夫の揺れ動く心情描写や雨や木々や光といった自然現象の描写の美しさが秀逸。 特に、物語の最初の方で祖母が逸夫に教える「天泣」(てんきゅう)という雨の描写は見事。 それが感動的で美しいラストシーンに繋がって・・・・。 誰もが生きていくために必死でついている「嘘」をテーマにした切なく哀しい物語。 それでもラストには小さな光が見えて心穏やかに本を閉じることができました。 2012年 01月 10日
人の夢を可視化しデジタル化して記録し、それを「夢札」として保存できるようになった近未来。 その夢を解析する「夢判断」を職業とする浩章は、 すでに亡くなりこの世にいないはずの古藤結衣子を見かける。 彼女は浩章のかつて兄の婚約者で 予知夢を見ることが出来るという特殊な能力を持っていた。 それ故にある事件に見舞われ死んだはずだったのだが・・・。 そんな中、 全国各地で小学生が集団白昼夢を見るという事件が起きた。 彼らの夢札を解析しその原因を突き止めるために浩章は現地に向かう。 そこで浩章は結衣子の幻影と向き合うことになる。 事件と結衣子との関連性は・・・・結衣子は生きているのか・・・・。 「夢」をテーマにしたミステリーとファンタジーが合わさったような不思議で抒情的な作品。 謎めいた展開に差し挟まれる浩章の結衣子に対する思いが切なく 終章の春のイメージが吉野の見事な桜とあいまってなんとも幻想的で美しい。 作中たびたび記述される作者の夢に対する考察はなかなか興味深いものがありました。 夢は外からやってくる・・・・なるほどそうかもしれませんね。。。 2011年 12月 30日
今年読んだ本は87冊。
ここ数年、年間100冊以上は読んでいたんですが 今年はそれに比べるとかなりペースダウン。 特に9月10月が少なかったですね~。 まあその時期、心情的にのんびり本を読む状態じゃなかったというのもあるけれど。。。 他のことに気を取られていると読書タイムが減っちゃいますね(笑) そんないろいろあった一年でしたが、 読了本を記録した手帳を見ながら選んだ印象深かった10冊は次の通り。 『砂の王国 上・下』 荻原浩 『下町ロケット』 池井戸潤 『人質の朗読会』 小川洋子 『ピエタ』 大島真寿美 『ロマンス』 柳広司 『この女』 森絵都 『マスカレード・ホテル』 東野圭吾 『水底フェスタ』 辻村深月 『舟を編む』 三浦しをん 『平成猿蟹合戦図』 吉田修一 どの本も読書の醍醐味を存分に味わえる10冊でした。 来年も素晴らしい本に出合えますように。。。
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