読んだ本の覚え書き
by aquasas
S |
M |
T |
W |
T |
F |
S |
|
|
|
|
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
6
|
7
|
8
|
9
|
10
|
11
|
12
|
13
|
14
|
15
|
16
|
17
|
18
|
19
|
20
|
21
|
22
|
23
|
24
|
25
|
26
|
27
|
28
|
29
|
30
|
31
|
わたしのこと
本を読むのが好き
本のある空間が好き
図書館の空気が好き
スタイルのある本屋が好き
そんなわたしの
本に関する気ままな雑記
HN:マリ (1961年生まれ)
福岡県在住
愛車はミニクーパー♪
気ままな まいにち
検索
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
2009年 10月 06日
主人公は「ゴミ屋敷」に住む老いた男。
近隣の住民から疎まれワイドショーも取材に来る。
男はなぜ、どのようにしてゴミを溜めるようになったのか。
昭和の初め、小さな町の荒物屋に長男として生まれ
戦中戦後を普通に生きてきたある男の半生が
その時代背景とともに実に丹念に描かれる。
大きなきっかけはなかったように思う。
時代の流れに沿って勤勉に従順に生きていたはずなのに、
少しずつ少しずつ道から外れてゆく男。
本人にはあるいはその自覚はなかったのかもしれない。
ただただ心に湧き上がる寂しさと虚しさを埋めるため、そうするしかなかった男の人生。
最終章での男と弟との道行きはあまりにもせつなく、心に迫り来るものがある。
なんとも凄い小説でした。
|