読んだ本の覚え書き
by aquasas
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わたしのこと
本を読むのが好き
本のある空間が好き
図書館の空気が好き
スタイルのある本屋が好き
そんなわたしの
本に関する気ままな雑記
HN:マリ (1961年生まれ)
福岡県在住
愛車はミニクーパー♪
気ままな まいにち
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2012年 08月 09日
地方都市に住む平凡な人たちの閉塞感を
それぞれが犯した犯罪を通して描いた短編集。
「仁志野町の泥棒」
「石蕗南地区の放火」
「美弥谷団地の逃亡者」
「芹葉大学の夢と殺人」
「君本家の誘拐」
犯罪といっても新聞の一面に載るような大きな犯罪ではなく、
せいぜい社会面かあるいは地方版に小さく載る程度の町の事件。
ただそれだけに、どの事件もやたらリアルで生々しい。
当事者のみならず周囲の人々の心理描写を積み重ねることによって
普通に生きてきた人の「魔がさす瞬間」を鮮やかに描いてみせる辻村さん。
それはもう恐ろしいくらい丹念に。
それぞれの動機が誰でも思い当たるようなちょっとしたことだけに
誰もが犯罪者に成り得るかも・・・と思わされるあたりが非常に怖い。
今までの辻村作品とは趣を異にしていたけれど、
こういうブラックな感じ、角田光代さんっぽくて大好きです。
第147回直木賞受賞作。
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