学生時代の友人4人で訪れるY島。
Y島ではJ杉を目指してひたすら歩く。
40歳を目前にした利枝子、彰彦、蒔生、節子。
それは、それぞれがそれぞれの過去の闇と謎に迫る旅だった。
なんとなく大人版『夜のピクニック』といった印象だった。
雄大な森の中をただひたすら歩くうちに、過去の様々なことが甦る。
『夜のピクニック』と違うところは、4人がすでに振り返るべき過去を持っているということ。
最後の節子のモノローグが印象的だ。
あたしたちは、誰もが森を持っている。
あたしたちは森の中を歩く。
地図のない森を、どこへ続くか分からない暗く果てしない森の中の道を。
あたしたちはそれぞれの森を歩く。
誰かの森に思いをはせながら、決して重なりあうことのない幾つもの森を、
ついに光が消え木の葉が見えなくなるその日まで。
人生は巨大な森の中を彷徨い歩くことに似ている。。。