旅する床屋ホクトさんをめぐる12のお話。
日本だったり外国だったり、夢なのか現実なのか、
そのあわいを行ったり来たりする不思議な味わいの短編集。
この本を読んでいる間はとても静かな世界に浸れます。
そしてふと何かを思い出しそうな気がして本を閉じ
窓の外を眺めながらぼんやり空想に耽ったり・・・。
先を急ぐ読書とは無縁の
静かに本を読むひとときをただただ楽しむだけの本。
タイトル、物語の内容、それぞれの章に添えられた小さなイラスト、水色の空に浮かぶ
北斗七星が描かれた装丁、それらが見事に調和しひとつの世界を紡ぎ出している。
とても美しい本でした。